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2007年03月 アーカイブ

2007年03月06日

マイナス化思考

マイナス化思考は、前の「心のフィルター」と似ていますが、
決して悪いことでないようなことや、
むしろ通常はプラスのことやラッキーなことでさえも、
わざわざ悪い方にとってしまうような思考の偏りです。

例えば、テストでいい点数をとったり、仕事で優秀な成績を収めたというのに、
その事実を悪い方にとって、こんなことぐらい誰にでもできる、
大したことではない、むしろ、周りに対して嫌味だ、
目立ちすぎて嫌われるのがおちだ、
こんなことでしか自分をアピールできないのが恥ずかしい、
他には何もできないくせに偉そうにしている、
こんなことができても人生の重要な問題を何も解決できない、
などと考えてしまいます。

この姿は、徹底的に自分をいじめたがっているみたいです。
現状に満足せず、勝って兜の緒を締める、
向上心を持って、次のステップへ気を引き締める、
という肯定的に働けばよいのですが、
この種の否定思考は、状況が悪化しているのに、
追い討ちをかけるように、働くことがあります。
勝って兜の緒どころか、自分の首を絞めかねません。

マイナス化思考が対人関係で生じると、
「お美しい」と誉められても、「そんなことはないです」と否定し、
「すばらしい出来栄えですね」と言われても、「たいしたことはないです」となる。
「いやいや、すばらしいですって」と改めて誉められると、
「こんなんじゃ全然ダメですよ」と強く否定し、逆に怒ったりします。

「またまたご謙遜を」という程度ならともかく、
反応が意外に強いので、素直にほめた方もイヤな感じが残ります。
なんでこの人は素直に喜ばないんだろう。
私なんかに誉められて不愉快なんだろうかと。
人間関係がぎくしゃくしはじめます。

マイナス化思考も、極端に成ると有害な思考法なのです。

2007年03月09日

結論の飛躍

結論の飛躍は、十分な根拠もないのに、一挙に結論に飛んでしまう思考法のことです。
これには2つのパタンがあります。A心の読みすぎ、と、B先読みの誤り、です。

A心の読みすぎ
心の読みすぎというのは、誰かが自分のことを悪く言っている、思っていると、
十分な根拠もなく思い込む思考の歪みです。
皆は自分のことを愚かだと考えている、ダメなヤツだと思っている、
邪魔な存在だと感じている、死ねばいいと思っている、などなど。

B先読みの誤り
先読みの誤りは、将来に対して根拠なく悪い方に考えてしまう思考の歪みです。
この先幸せになれない、人と愛しあうことはない、一生貧乏のままだ、
生きていてもいいことはない、すべて失敗する、仕事はない、
病気は治らない、立ち直れない・・・などなど。
未来に対する勝手な予言です。

両方とも、結論に至る根拠が乏しいのです。
本当のところは、そういう可能性があるかもしれないし、ないかもしれない。
よく調べないと何とも言えない。

ところが、ストレスが強い時、疲れがひどいとき、
冷静に考える余裕がなくなるとき、
安易なわかりやすい結論を選んで、正しいと思い込むのです。
しかも、楽観的な方よりも、悲観的な結論を選んでしまいます。
悲観的な方が、現状の苦しみや辛さと波長が合うからです。

悲観的な予感や予知力に長けているということではなく、
本当に言いたいことは、「今が辛い」ということだけなのです。
「皆が自分のことを悪くいっているかのように」
「将来は絶望的だと思わずにはいられないくらい」
「今が辛い」と言いたいだけなのです。
そのことに気が付くことが大切です。


2007年03月11日

拡大解釈と過小評価

拡大解釈は、客観的にみてもあまり大した問題ではないことを
ことさら大げさに気にして悪い意味にとらえてしまう思考の歪みです。

例えば、車の免許を持っていないこと、酒が飲めないこと、
運動が苦手なこと、字が下手なこと、カラオケが苦手なこと、
人ごみが苦手なこと、人と話すとき緊張してしまうこと、
恋愛経験が少ないこと、貯金が少ないこと・・・などなど、
そうでない場合を考えてもそれほど大した違いはないと
普通は考えられるようなことや、
ちょっとしたその人の欠点や短所かもしれないが、
考えようによっては個性であるようなことまで、
あるいは、少なくともそのくらいのことで人生や人格がすべて
否定されることは通常ありえないと一般的に思われる類のことを、
すべて、そのせいで不幸になる、良いことは起こらない、
自分が完全にダメであることの証拠だと考えてしまう思考の歪みです。

過小評価はそれとは逆に、客観的に自分の長所やプラス面に対して、
プラスに受けとらなかったり無視してしまう態度です。

例えば誰とでも仲良くできる、人の悪口を言わない、曲がったことは嫌い、
まじめ、無駄づかいしない、努力家・・・
これらのプラス面を評価しないで無視するか、逆に、
損をしているとかマイナス面であるかのように考えてしまう思考の偏りです。


拡大解釈も過小評価も、あたかも初めから結論ありきで、
事実を個人的にねじまげてしまうところに特徴があります。
まず、「自分はダメだ」という前提があるからこそ、
小さい微々たる欠点をことさら大げさに解釈して悪い意味にとり、
それが致命傷だと信じてしまうのです。
逆に、プラスで有利に働きそうな事実に対しては、
焼け石に水で手遅れで不十分で
今さら何も役に立たないんだと信じ込みます。
まるで、ちょっとでも期待して裏切られるのが恐いかのようです。

事実を受け入れて予想外のダメージを受ける心配をするよりも、
自分が信じ込んだ限界の範囲内で解釈評価を続けてさえいれば、
少なくとも「自分はダメ」であることを誰よりも知っているという
安心感が得られるので、妥協し続けるのかもしれません。

しかし、そんなデタラメで、自分の本心が満足するわけがありません。
私たちの本来の心は、事実を間違って認識し信じ込もうとするウソに、
やがては嫌気がさしてきます。

勇気をもって、自分のいいところと嫌なところを整理することです。
決して、欠点は致命傷でなく、長所はゼロではないのですから。

2007年03月21日

感情的決め付け

少し理論的な話をしますと、認知行動療法では、
誤った偏った考え方が、間違った感情や行動へ導くと考えます。
ですから、その誤りや偏りに気づき、修正できると考えます。

例えば、物事をすべて悪い方へ考えるから、絶望的になる。

物事がすべて悪いなんて、誰が決めることができるのでしょうか。
認知行動療法は、物事には良い面もあるし、これまでも決して
悪いことばかりではなかったのではないかと思い出すことによって、
絶望的な気分から抜け出すようにします。

考え→感情、なのですが、これをちょうど逆転した考え方をするのが
感情的決め付けという思考法です。

「絶望的に感じる、もはや悪いことしか起きないさ」
「みじめに思う、皆がバカにしているんだ」
「腹が立つ、私は邪魔者扱いされてるに違いない」

等など、感情の強さや激しさ、確信の強さが、
後に続く思考のまぎれもない明らかな根拠であり証拠だと
考えてしまう思考パタンなのです。

私たちの日常ではよく、白熱した会議の中で、このパタンが見られます。
「絶対間違いない(と私が感じるから)、それが最も良い選択だ!!」
絶対正しいと「感じる」から、たとえ間違っていようが「正しい」と思い込みます。
冷静さを失うほど、この思考の歪みは理解できるでしょう。

この思考法は、ひっくり返せば、思考の偏りに気づくチャンスになります。
「もはや悪いことしか起きない」と考えるからこそ、「絶望的に感じる」し、
「皆がバカにしている」と考えるからこそ、「みじめに感じる」し、
「私は邪魔者扱いされてるに違いない」と考えるからこそ、「腹が立つ」のです。

ならば、そう考えることが本当に適切かどうか、問えばよいのです。
そうでないケースもゼロではないことから、否定感情は収まってゆきます。

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